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プロフィール |
Author:Chen
米系IT企業で7年間勤務後、はて?と立ち止まる。 2007年9月、新しいドアを開くためフランスに旅立ちます。目指すは、名門HECでのMBA取得。 目標:勝ち猫になります!!!
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MBA留学出発記念特別講演会 |
先週末は、共に、MBA受験を戦った友人が、ご自分のコネを活用して我々MBA留学する仲間のために、すばらしいゲストスピーカーを招いて講演会を企画してくれた。(AMO,ありがとう!) ゲストスピーカーは、国際基督教大学の教授であり、内閣府経済財政諮問会議議員でもある八代尚宏教授。テーマは「日本の構造改革」。コレは教授から我々へのプレゼント、である。海外に行けば、我々留学生は「日本人代表」として色々質問されるだろう。そのとき日本経済の現状と課題について、語れるのと語れないのとでは、大きな違いだ。教授には、とても基本的なことから、今の日本経済の問題点や求められる構造改革についてなど、経済学やご自身の経験談もちりばめながら、分かりやすく解説いただいた。 1)日本のGDPの成長率の軟化が物語るものは何か?
戦後日本のGDPの成長率は著しかったものの、だんだん低下、90年代後半からはずっと軟調が続いている。なぜか?キーワードは「環境の変化」と「労働生産性」だという。色々あるが、一番の大きな変化は、海外直接投資の増加と国内投資の減少なのだそうだ。それも、製造業と非製造業のうち、海外直接投資が増加している分野は製造業の分野である。 さらに、各国の生産性についての比較を見ると、日本の生産性は製造業では高いものの、非製造業では随分劣っているのだ。生産性の高い製造業は外国に行ってしまい、生産性の低い非製造業だけが残ってしまった・・・。これを何とかしない限り、日本の競争力は上がらない、というのが八代教授および今政府が取り組んでいることなのだそうだ。 参考)労働生産性の国際比較
2)労働生産性って?
(賃金)=(付加価値)/ (労働投入) だそうだが、そもそも非製造業の生産性が良くないって、具体的にはどんなことを言っているのだろう?分かりやすいのは、ガソリンスタンドが、外国ではセルフサービスが当たり前なのに日本では違う、という例がある。要するに、日本では付加価値も高いけれど、その分の労働も高い、ということか。民間だけではない。八代教授が実際に取り組まれた政策の一つで、駐車違反取締りの民営化も一つの例だ。駐車違反の取り締まりは大事だけども、わざわざ特殊な高等教育を受けた警察官が駐車違反取締りに時間と労力を使う必要もないだろう、という、これも生産性を上げるための一つの例だ。 このあたり、遠い昔、Chenが大学生で政治学を専攻して「規制緩和」について勉強したことを思い出しながら、やっぱり、政策って人々の生活に直に影響するし、面白いよなあ、とか改めて思ったり、これから行くフランスは、サービスあんなに悪いのに生産性が高い(つまり付加価値が高い?)のは、やっぱりブランド力という付加価値なんだろうか、と思ったり。最近は地域のブランド力、って良く言われるけど、確かに経済学的に見ても通じるかも!と思ったり。
3)環境変化のもう一つの側面、雇用について
環境が変わった中で労働生産性を上げるために、企業が手をつけ始めたのが「雇用」である。90年代後半からの終身雇用制が大きく変化したのは、単に景気が悪かったから、ではないのだ。世の中が変わっちゃったのだ。しかし、このあたり、政策立案という部分では非常にトリッキーだ。委員会の専門家達は、「景気は昔みたいには上がらない」のを前提に政策を立てようとし、一方で連合側は、「経済政策によって景気は上がる」という前提で反対する。ニワトリと卵みたいだ。。。 教授のポイントは、経済政策の目標を、「景気を上げる=GDPの成長」そのものにおいてしまってはいけない、ということだ。経済学の公式で見ると、以外に分かりやすい。 (GDP 成長率)=(労働増加率)+ (一人当たり労働生産性) その昔 4% = 1% + 3% 今時 1%= -1% + 2% ほら、今時の経済でも一人当たり労働生産性を1%上げるだけで、GDP成長率も上がるでしょ、と。
4)女性の労働力
労働増加率もGDP成長率に貢献してるなら、もっと女性を活用すればよいのに。という意見だってもちろんある。でも、ここはウラ話だけれど、やっぱり、政府の政策立案者の多くは、この点にはとっても後ろ向きなんですって!ま、今更驚かないけどさ。理由は簡単。「男の既得権益を守りたい」のと「女性が家庭を守るのが美しい日本の家族の形」という本音があるから、だそうな。ふぅ~ん。このあたり、フランスの社会をじっくり観察してこようと思う。女性のワーク&ライフ・バランスがうまく出来ているというイメージの強いフランス。秘密はどこに??
5)やっぱり所得の格差は広がってるの?
ヒルズ族とかワーキングプア、とか。マスコミの論調は、小泉政権の政策によって所得の格差は広がった、かのようだ。しかし、人口比で見た場合、今一番所得格差のある世代というのは、年功序列賃金制の下で働いてきた団塊の世代なんだそうな。だから、これは政策によって急に出てきた現象ではない、というのが1点。だからといって、年功序列が崩れてしまった時代に働いている、人口比の低い我々若い世代の所得の格差を見過ごしてよいわけではないけれど。 で、所得格差をなくすための所得再分配が政策として必要なのだけど、教授のご意見としては消費税が一番有効なのだそうだ。お金がある人は沢山使って沢山税金を納めてもらう、という論理。先進国の中では日本の消費税率はダントツ低い、という事実もある。要は、格差のない社会などない、ということだ。大事なのは、所得が多い層も少ない層も両方とも所得が減っていないこと。だとか。。。 う~ん。Chenは今収入がないので、消費税が増えるととても痛いのだが、もし、MBA終了後、就職して収入がその分増えたら、こんなに頑張ったのだからその分は自分のために使いたい、と思うだろうし。。消費税については未だ自分なりの結論が出せず。
と、まあ、非常に濃いお話を2時間の間にみっちり頂き、Q&Aにも答えていただいて、とても良いお土産になったのは間違いない。自分の頭の整理にもなった。MBAの授業もこんな風に頭がスッキリする内容だとよいなあ、とまだ見ぬMBA授業の授業にも期待を膨らませつつ、会場を後にした。
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