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プロフィール
Author:Chen
米系IT企業で7年間勤務後、はて?と立ち止まる。 2007年9月、新しいドアを開くためフランスに旅立ちます。目指すは、名門HECでのMBA取得。 目標:勝ち猫になります!!!
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日仏経済シンポジウム
2008年は日仏経済交流の150周年にあたるということで、パリ商工会議所の主催により「日仏経済シンポジウム」がパリ商工会議所"Salle des Fêtes"にて開かれた。以前にGEのイメルト氏 が講演を行ったシャンデリアと鏡の部屋である。本当は学生の身分では参加できないらしいのだが、我らのマーケティング・プロフェッサー、ダルサス先生がこのシンポジウムのモデレーターをされるということで、特別にマーケティングトラックの日本人学生数名を招待していただいた。 日本側からは経済産業省やJETROを始め、フランスで活躍している企業の方々も多数参加、フランス側からは反対に日本で活躍している企業などが参加し、両者によるパネルディスカッションや、ルノーのカルロス・ゴーン社長によるスピーチとそれに続くレセプションなど、盛り沢山で半日掛りの結構大きなイベントだった。 改めて学んだのは、日本とフランスの経済交流の原点は、19世紀の生糸貿易にあったこと。この時代、フランスのリヨンはヨーロッパ最大の織物産業の都市であり、日本から輸出される生糸の50%はフランスで買われていたという。生糸ビジネスのフランスへの進出に伴い、金融業などもパリに進出し、ヨーロッパへの投資の足がかりになっていったそうな。(当時の三菱銀行もリヨン支店をこの頃開設。) ラウンド・テーブルは、先生のリードもあり、日本とフランスの企業それぞれの視点が良く分かるうまい構成になっていて大変面白かった。各企業の代表の方々が多かれ少なかれ必ず口にしていたのが「文化」についてである。特に堀場製作所の社長は、京都の企業であることも引き合いに出し、「アメリカと日本は木の形が似ているが、フランスと日本は根っこが似ている。」と表現されていて、根っこでのコミュニケーション、つまり文化の部分をうまく扱えればビジネスもうまく行くんだと。うまいこと言うなー。また、両者の文化・ビジネスの違いとして、「日本はプロダクト&クオリティの国、フランスはデザイン&ブランドの国である」とのコメントをする方も。トヨタ・ヨーロッパの社長は、トヨタがヨーロッパで戦える車を作るためにデザインスタジオをフランスに作った例をあげつつ、違いは「乗り越えるよりもシナジーを考えたほうが良い」、とのコメント。 ビジネスだけでなく、政治に期待するコメントも。マーケティングの授業のケースにも出てきた、Street furnitureという手法で野外広告を手掛けるJCDecauxの社長は、98年の日本への進出を振り返り、「失われた10年」の間に規制緩和が進み、横浜で官民協力という形で新しい広告ビジネスを立ち上げることができた例を紹介しつつも、まだこのビジネスモデルでの「ドミノ現象」は起きていない、特に東京都が一番規制緩和から遠く、なかなか目指すステージに立てないこと、などを訴えた。フランス企業から見た日本の政治へのじれったさが伝わってくる。 また反対に、日本企業のヨーロッパ進出における切実な悩みとしては、「特許紛争」が挙げられた。学校の授業でも習ったが、特許は取得した国でのみ有効という大原則がある。なので、EUマーケットに進出したい日本企業はEU圏内の国においていちいち特許申請を行わなければならず、また訴訟を起こすときも国ごとになり、莫大な費用と時間がかかり、EUマーケット進出の大きなネックになっているとのこと。これをフランスの力で何とかしてほしい、とのコメントは味の素ヨーロッパの社長から。 最後は、お待ちかねのゴーン社長のスピーチ。まあ、時期が時期だというのもあるが、なんだか歯切れが悪かった印象が残る。メインのトピックはやはり、この経済危機をどう見ているか、という話。繰り返し強調していたのは、このEconomic Crisesは『金融』危機なのだ、ということ。つまり、信用システムが崩れてしまっているので、これがカイゼンされない限りいくら金を投入しても企業も経済も上向けないのだ、と。自動車業界としても、結局は早く金融側を何とかしてくれないと、という話だった。車の販売業績が悪化しているが、みんな別に経済が悪化したから急に車を買いたくなくなったわけではないのだ。背景は金融の問題で車の短期ローンの利率が上がってしまって買えなくなってしまっているのだ。 ゴーン社長は、今はどの企業も戦略的な決定はしにくい、ということを強調しつつも、でもこの状況を乗り越えて将来のチャンスをつかむためには、合併などを通して投資の効率化とリソースと技術の共有化をいかに進めるかが鍵だと言われていた。Chen的には「ゴーンさんはどっちやねん!」と突っ込みたかったが。。。あとは質問で企業の国籍と社長の国籍とが違うことのインパクトは、というものが出てきたが、「その会社(ビジネス)のことを一番良く分かっている人がなるべきだ」との普通な答えだった^^;。日仏同時通訳を通してのスピーチだったので、言葉の使い回しとかダイナミックさが伝わってこなかったのもあるが、もう少しルノーのゴーン氏がどう舵取りしていくつもりなのか、具体的なお話をしてもらえたらもっと面白かったのにな、とちょっと残念ではあった。 最後はレセプションでカクテル。パリには実はこんなに沢山の日本人が駐在しているんだ、と改めてびっくりするほど会場は日本人だらけ!Chenは朝昼の食事を抜いていたこともあって、ネットワーキングより食い気に走ってしまい、ちょっと反省。(だってフォアグラのソテーとか出て来るんですもの~。)それでももちろんちょっとは何人かとお話をさせてもらったりして満足して、日仏経済シンポジウムは、これにて終了・・・。
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