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プロフィール |
Author:Chen
米系IT企業で7年間勤務後、はて?と立ち止まる。 2007年9月、新しいドアを開くためフランスに旅立ちます。目指すは、名門HECでのMBA取得。 目標:勝ち猫になります!!!
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Marketing Track |
Marketing Trackは、Marketing専攻の学生のPP2での必修科目。PP2の全期間に渡って、専任の教授がついて、Marketingのプロとして知っておかないといけないことを、レクチャー、ケース、ゲストスピーカーの講演を交えてしっかりと教えてくれる。
Marketing Trackの教授は、Frédéric Dalsaceというフランス人の先生。ハーバードMBA首席卒業、元マッキンゼー、ミシュラン・タイヤやパッケージング会社のマーケティングなどを経て、HECの名物教授となる。学生時代は一橋大学に交換留学していたのと日本でも働いていた経験があることから、日本語も結構話せてかなりの日本通。フランス人とは思えないくらい、細かく、時間にうるさい。
声が大きくエネルギッシュなだけではなく、授業の構成も細かいところまで実は計算しつくされていて、テンポが良く、全く気が抜けない。HECで受けた授業の中でも one of the best のクラスとだと思うが、demanding なクラスであることでも有名だ。
このクラスでは、マーケティングのトピックの中でも、New Product Developmentを中心に学ぶ。NPDについては今まで全く関わったことがなかったので、様々なケースを通して専門知識を学ぶのは非常に面白いし、今後きっと役に立つに違いない、という実感がある。
扱うケースは、B2BからB2Cまで幅広いが、どちらかと言うと先生の趣味(?)で、B2Bやテクノロジー製品についてが多い気がする。B2Cをもっと勉強したかったので、そういう意味では少し残念なのだが、それでも、イノベーションやテクノロジーをベースにした製品開発のストラテジーとリスクの分析などは、昔その分野で働いていたこともあり、色々考えさせられて面白い。
『HPキティホーク』のケースでは、HPがイノベーションを追求して、社内No1プロジェクトとして立ち上げた世界最小HDの開発と製品化が最終的にはいかに素晴らしく失敗していったか、を分析。昔PalmPilotが大ブレークして「これからはPDA」と誰もが思った時代があったが、インダストリーのトレンドとエンドユーザーのデマンドがどんどんすれ違ってしまい、業界の思惑通りにはいかなかった。実はPDAマーケットは昔担当していたこともあり、「なんでこうなってしまったのか」ということを改めてじっくり考えるのにはとてもよい機会だった。
奇しくも、このクラスでのグループ・プロジェクトは、GPS機能つきPDAに地図と観光情報を載せた、Digi-Guide という、トラベルガイドを開発およびレンタルしているフランスの会社を取り上げる。HECの卒業生が立ち上げた会社でもある。むかーしむかし、Chenがサンフランシスコでインターンシップで働いていた会社も実はそのようなアイデアを製品化しようとしていた。そのときはGPSもまだ一般には製品化されておらず、PDAとしての機能だけで、使い勝手もいまいちで事業としてはうまくいかなかったのだが。
あれから世の中のテクノロジーはかなり進歩したが、その進歩したテクノロジーをベースに開発された製品が、どれだけマーケットに浸透できるのか、どういうビジネスモデルだったらうまくいくのか、今後の製品開発はどのように進めていくのか。非常に興味深いプロジェクトになりそうだ。
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Jeff Immelt流、リーダーシップ論 |
GEの会長兼CEO、Jeff ImmeltによるHECMBAのための講演会が行われた。 会場はJouyのキャンパスではなく、パリ商工会議所の所有する凱旋門近くのクラシックなホテル。鏡張りの壁に囲まれたでかいシャンデリアがぶら下がる会場、と学校側も気合が入っている。約1時間のスピーチとQ&Aを行ってくれた。
イメルト氏、開口一番、「自分も昔MBAに行ったときは、全部授業料は自分持ちで、$60,000の負債を背負って卒業した。そのときも経済状況は良くなくて、一体どうなることかと思ったが、結局どうにかなったよ。ハハハ・・・So, Be Optimistic!!」と、会場の笑いを買っていた。
今年52歳になるイメルト氏、エネルギッシュでかつとても親しみやすい口調で話し、学生からの質問にも一般論ではなく自分の言葉で回答しようとしているところにとても好感をもった。パリ商工会議所のお偉いさん方が、「フランス流フォーマリズム」とでも言うのか、イメルト氏のスピーチの前に長々とご挨拶をされたのにうんざりしたのと正反対だった。(こういうところ、フランスって日本によく似ているなーと思う。)
「MBA生の時は、Organizational Behaviorのクラスが退屈でたまらなかったんだけど、こうやってCEOになったら、今の仕事の8割はOB関連のことなんだよ、あの時はまさか想像もしなかったね。」というコメントには会場からも拍手喝采。
大混乱している経済状況についてのコメントから始まり、イメルト流のリーダーとして大切に思っていることをいくつか紹介してくれた。
Personal skillとしては、 * Be otimistic * Be curageous * Be confident
を強調されていた。「だって、僕の後ろには何万人て部下がいるんだ。朝、会社に来て、彼らの前で暗い顔して、『大変なことになるぞ・・・(We gotta all screwed up...)』、なんて絶対言えないよ。」 そりゃそうだ・・・。
イメルト氏でも、一日の終わりには『大失敗した・・・』と落ち込むこともあるらしい。でも、ベッドに入って朝起きた瞬間には "I'm the BEST in the world ^^ !!!"と思えるのだそうだ。それが、GEのCEOとして選ばれた自分の強みだ、とも言っていた。やっぱりリーダーは精神的にタフでなければいけない。
それから、"Don't worship the legacy, or past success"とのこと。継続的な成長とイノベーションのためには常にStatus quoへのチャレンジをしないといけない。
その他、会場からはどうやったら時間をうまく管理できるのか、とか、他のExecutiveたちとどうやって関係をうまく保つのか、とか、面白い質問が沢山出て、どれにもユーモアを交えながら丁寧に答えてくれ、あっという間の1時間だった。
こっそり、写真まで撮ってしまいました。。。><
 シャンデリアの会場とイメルト氏
 赤いネクタイでエネルギッシュなイメルト氏
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PP2 |
MBAライフもついに最終学期。 HECではPP2(Personal Phase 2)と呼ばれる学期である。 この期間は学生は4つの大きなMajor(HECではこれをTrackと呼んでいる)に別れて、それにあわせた必修科目をとりつつ、それ以外にも好きな選択科目を選ぶことができる。
トラックは、①Finance②Marketing③Strategy④Entrepreneurship、に分かれていて、それぞれ担当の教授が毎週トラック専門授業を開催する。このトラック専門授業はHECMBAだけの特典で、交換留学生は取ることができない。
なお、トラックを取るには選考プロセスがあって、PP1のタイミングでそれぞれのトラックに志望動機と履歴書を出すことになっており、それを元に希望のトラックが取れるかどうかが決まる。Chenは希望通り、Marketing Trackに決まった。(Marketing Trackについてはまた今度詳しく紹介予定)
ChenはMarketing専攻ではあるが、PP2では、興味にあわせて色んな科目をとってみることにした。以下、今期の授業リスト。
Business Plan:Design & Funding Thinking Strategically Strategic Marketing Simulation Key Facets of European Marketing & Strategy Approaches Corporate Marketing Indicators for Managers - Economic & Financial Venture Capital for Entrepreneurs High-Tech Entrepreneurship Swim with the Press Francais
マーケティングの技術的な科目はPP1でかなり取ってしまったこともあり、今期はできる限りストラテジーに関する授業を取ることにしたのと、アントレにも興味があるのでそれに関する授業、というミックスになった。マーケティングは結局はストラテジーであるべきと思っているので、ストラテジーの授業は結構フレーム作りに役に立つ。
周りには、卒業に必要な単位を取り終わってしまって、もう殆ど授業を入れずに、人生最後の(?)ロングバケーションを楽しむ、あるいは就職活動にフォーカスする人もいる中、Chenは、まだ結構授業がある。。。(貧乏性なのかも知れないけどね^^;)
どちらにせよ、個人のプランに合わせて一番フレキシブルに動ける学期なのは確かだ。
それから、相変わらず伸び悩んでいるフランス語も、今期はちゃんと勉強する時間を作らなきゃ。(最後の足掻きだけど・・・^^;)
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Luxury & Democracy |
HEC MBAプログラムの名物(?)でもある"Marketing and Strategies in Luxury"の授業は今期選択した科目の中でも1,2番を争う面白さだ。
先生は元Louis VuittonのCEO。LV以前は、1665年創業のフランスのガラスメーカーの老舗、Saint-GobainのCEOでもあった。
(*ちなみにSaint-Gobainはルイ14世の統治下、当時高級品でかつイタリアの独壇場であった鏡やガラスの製造を、輸入に頼るのではなく、フランスで自給するために財務省の提案で作られた会社だという。当時、ベルサイユ宮殿の「鏡の間」に象徴されるように、Luxuryとしてのガラス製品への需要は非常に高まっており、サンゴバンはシャトーデザインに欠かせない存在だったようだ。)
とてもエネルギッシュなこの先生、アカデミックの枠に捕らわれずに、「Luxury businessとは何か」を自分の経験に基づいて伝授してくれる。
彼いわく、Luxuryといわゆる「マーケティング」とは全く違うのだと言い切る。Luxuryはかつて王様や貴族など「特別な」階級の人達が日常手にするものであった。それが時代が変わって「一般の人たち」にも「特別なもの」として手が届くようになった。Luxuryの民主化である。
しかし、LuxuryがLuxuryであり続けるためには、それはやはり「特別な」プロダクトであり続けなければならない。消費者はそれを手に入れることで、「特別感」も同時に持てるようでなければならないのだ。
社会の民主化と資本主義化は、大量消費時代のマーケティングを生み出した。世の中に溢れ返る情報と商品。誰でも欲しい時に(ときにはネットでいつでもどこでも)商品が手に入るのが当たり前の時代になった。でも、それは同時に、何かを「手に入れること」への特別感が希薄になってしまったということでもある。
Luxuryはあくまでも、手に入れること自体が「特別」でなければならないのだ。だから、プロダクトはもちろん、プライスも売る場所もコミュニケーションの仕方まで全て「特別」でないといけない。その辺を先生は事細かく教えてくれる。
う~ん。超面白い。
ちなみに、授業の一環で「グループ・プロジェクト」も入っている。これは、実際に存在する企業の製品のluxury strategyをauditするというもの。
Chen達はフランスの某ジュエリーブランドをプロジェクトとして取り上げる。100年以上の歴史を持ちシャンゼリゼにも店舗を構えるこのブランド、最近はどうも低迷しているようだ。先週、フランス人のチームメイトが伝手があって、この会社のCEOと面談することができた。何と、このCEO、20年前はHECMBAで教授をやっていたそうな。その後、色んな高級ブランドのマネジメントを渡り歩いてきて、最近このブランドのCEOとして就任したらしい。まさにLuxury business managementのプロ、だ。そんな人にどれだけの提案ができるのかわからないがとにかく皆で頑張ってみようと思う。
ますます面白くなりそうだ。
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International Negotiations |
金曜日から週末に掛けて、Personal skillに関連した授業、International Negotiationsの授業があった。
教授はTHALESという軍事用の衛星や飛行機、ITシステム、機材など諸々を製造販売しているフランス企業でinternational business developmentに長年携わってきたちょっと目つきの鋭い40代後半の先生。HECMBAの卒業生でもある。色々な国の政府に軍需用品を売る交渉を多く経験してきたそうな。まさに、international negotiatorだ。
もちろん理論だけでなく、実際に交渉のシミュレーション・ゲームをしてNegotiationの理論を体感することもできた。
ルールは単純で、ゲーム理論(囚人のジレンマ)に基づいてており、お互い合意に基づいて行動すればお互いそこそこ儲かり、相手をうまく欺ければ欺いたチームはメチャクチャ儲かるが、欺かれたチームはメチャクチャ損する、という仕掛けになっている。
ゲームとは言え、始まると皆真剣。交渉に納得行かず、モデレーター担当になったクラスメートに詰め寄る人たちも。
面白いのが、ゲームが終わった後になぜこのようなチーム編成が組まれたかの種明かしがあったこと。先生によるとネゴシエーターのタイプ分析は"Machiavelic" "Gambler" "Realist" "Choir Boy"の4つに分かれるそうで、チームは基本的には同じタイプで組み、対戦は違うタイプのチームと行うという形になっていた。
Chen達は超リアリスティックに、お互いハッピーな堅実路線で交渉を終了したが、一番傑作だったのが、とても政治的なマキアベリタイプの女性チームに、ナイーブな聖歌隊少年チームがそうとは知らずにすっかり騙されて(?)大損したケース。先生のコメントに寄れば、ネゴシエーションの進め方や結果は、文化的な違いよりもむしろネゴシエーターのタイプ分析に基づく、と考えたほうがよい、とのこと。ネゴシエーションにおいては、あらかじめどういう人との交渉になるか、情報をキャッチしておくのも大事なことのようだ。
組織の上になればなるほど使える時間は少なくなり、そういう人たちの交渉はクレージーになってくる、との先生のコメントも頷けた。そういうとき2つの巨大なパワーの間に挟まれるな、とのアドバイス。大体において、巨大パワー同士はお互いを譲らないので、その結果どうなるかというと、間に挟まれた立場の弱いものを潰すことでお互いの利益を守るのだと言う。これまでの国際紛争をみれば確かにそうかもしれない。
国別に見たネゴシエーションタイプの分析も面白かった。USのネゴシエーションに多い、Win-winは必ずしも利益を最大化するものではない、と先生は言い切る。本当にタフなネゴシエーションになればなるほどThe toughest guyが勝つのだと。そしてそれはフランス流のアプローチでもあるらしい。
ネゴシエーションの目的についても国によって考え方が全く違う。USではResultを出すこと。日本ではAgreementを持つこと。アラブ諸国ではMy interestを満たすこと。そしてフランスでは自分のIdeaを見せつけること(!?)らしい。。。その意味でフランス人とのネゴシエーションは大変だ。何しろエリート主義がとても大事な国なのだ。そういえばフランス人はミーティング中に本当に良く喋る。あれは自分がいかに良く色んなことを知っているかを見せ付けるためだったのか???
エリート主義、の特徴として先生が引き合いに出した例が「努力」についての考え方だ。日本では「努力」は美徳だ。「おしん」や「二宮金次郎」に代表される、貧しくても努力を惜しまずに頑張ること、の大切さは子供の頃から教え込まれている。でもフランスではそうではないらしい。何と、努力しないで良い結果を出せること、がエリートとしてとても大事なことらしい。フランスの家庭では、親は子供がガリ勉しないで良い成績を取ってくると大喜びするのだとか。まあ、うちの子は本当に頭が良いわ、と。
でもその結果何がおきるかというと、フランス人は「働かないで良い結果を出すこと」にフォーカスし始める。汗水たらして働いて大して稼げないのは馬鹿だ、と。フランス人が働かない、というのは良く聞く話だが、背景はそこにあったか!もちろん、一部の超頭の良い人たちはそれでも何とかなるのだろうが、大半はそうは行かない。で、結局全体の生産性が悪くなってきてしまって、サルコジが「働いて結果を出すこと」という当たり前(?)の提案を始めたのだが、なかなかうまく改革は進まず、という今日この頃なのだとか。。。
なるほどねえ。
様々な考え方と行動パターンを持つ色んな人がいる国際社会で、ネゴシエーションはメンタル面で強くなければならない。ネゴシエーターの陥りがちなpit holeとしては、上になればなるほど、結果のインパクトが大きくなることに対する不安や、successfulに見せなければならない自分へのプレッシャーなど、色んなストレスがネゴシエーターにのしかかってくる。
ネゴシエーターは、そこをうまく穏やかにそしてタフに切り抜ける。。。理想は遙か遠いが、この授業でちょっとはTipsが見えてきたのかな?
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